html_entity_decode
(PHP 4 >= 4.3.0, PHP 5, PHP 7)
html_entity_decode — HTML エンティティを適切な文字に変換する
説明
$string
[, int $flags = ENT_COMPAT | ENT_HTML401
[, string $encoding = ini_get("default_charset")
]] ) : string
html_entity_decode() は
htmlentities() の反対で、string
にあるすべての HTML エンティティを適切な文字に変換します。
厳密に言うと、この関数は次の二つの条件を満たすすべての (数値エンティティを含む) エンティティをデコードします。それ以外のエンティティは、何も変換しません。 1) 選択したドキュメントタイプで必然的に有効になるもの。つまり XML の場合には、DTD で定義されている名前付きエンティティはデコードしません。 2) 選択したエンコーディングに関連づけられている符号化文字集合に含まれる文字で、 選択したドキュメントタイプで許可されているもの。
パラメータ
-
string -
入力文字列。
-
flags -
以下のフラグのビットマスクによる組み合わせで、クォートの扱いやドキュメントの形式を指定します。 デフォルトは ENT_COMPAT | ENT_HTML401 です。
使用可能な flags定数定数名 説明 ENT_COMPATダブルクォートを変換し、シングルクォートはそのままにします。 ENT_QUOTESダブルクォート、シングルクォートの両方を変換します。 ENT_NOQUOTESダブルクォート、シングルクォートの両方とも変換しません。 ENT_HTML401コードを HTML 4.01 として処理します。 ENT_XML1コードを XML 1 として処理します。 ENT_XHTMLコードを XHTML として処理します。 ENT_HTML5コードを HTML 5 として処理します。 -
encoding -
オプションの引数。文字を変換するときに使うエンコーディングを定義します。
省略した場の
encodingのデフォルト値は、varies PHP のバージョンによって異なります。 PHP 5.6.0 以降では、デフォルト値として default_charset の値を使います。PHP 5.4 と PHP 5.5 のデフォルト値は、 UTF-8 で、それより前のバージョンの PHP のデフォルト値は ISO-8859-1 でした。技術的にはこの引数を省略可能ですが、PHP 5.5 以前のバージョンを使っている場合や、 default_charset の指定が入力とは違う文字セットになっている場合は、 適切な値を指定しておくことを強く推奨します。
以下の文字セットをサポートします。
サポートする文字セット 文字セット エイリアス 説明 ISO-8859-1 ISO8859-1 西欧、Latin-1 ISO-8859-5 ISO8859-5 ほとんど使われないキリル文字セット (Latin/Cyrillic)。 ISO-8859-15 ISO8859-15 西欧、Latin-9 。Latin-1(ISO-8859-1) に欠けている ユーロ記号やフランス・フィンランドの文字を追加したもの。 UTF-8 ASCII 互換のマルチバイト 8 ビット Unicode 。 cp866 ibm866, 866 DOS 固有のキリル文字セット。 cp1251 Windows-1251, win-1251, 1251 Windows 固有のキリル文字セット。 cp1252 Windows-1252, 1252 西欧のための Windows 固有の文字セット。 KOI8-R koi8-ru, koi8r ロシア語。 BIG5 950 繁体字中国語。主に台湾で使用されます。 GB2312 936 簡体字中国語。国の標準文字セットです。 BIG5-HKSCS Big5 に香港の拡張を含めたもの。繁体字中国語。 Shift_JIS SJIS, SJIS-win, cp932, 932 日本語。 EUC-JP EUCJP, eucJP-win 日本語。 MacRoman Mac OS で使われる文字セット。 '' 空文字列を指定すると、 スクリプトのエンコーディング (Zend multibyte)、 default_charset、 そして現在のロケール (nl_langinfo() および setlocale() を参照ください) の順でエンコーディングを検出します。 この方法はおすすめしません。 注意: これら以外の文字セットは理解できません。 かわりにデフォルトのエンコーディングを使用し、警告を発生させます。
返り値
デコードされた文字列を返します。
変更履歴
| バージョン | 説明 |
|---|---|
| 5.6.0 |
encoding パラメータのデフォルト値が、
default_charset の設定値に変わりました。
|
| 5.3.3 | デフォルトのエンコーディングが ISO-8859-1 から UTF-8 に変わりました。 |
| 5.4.0 |
定数 ENT_HTML401、ENT_XML1、
ENT_XHTML および ENT_HTML5 が追加されました。
|
例
例1 HTML エンティティのデコード
<?php
$orig = "I'll \"walk\" the <b>dog</b> now";
$a = htmlentities($orig);
$b = html_entity_decode($a);
echo $a; // I'll "walk" the <b>dog</b> now
echo $b; // I'll "walk" the <b>dog</b> now
?>
注意
注意:
trim(html_entity_decode(' ')); の結果が空の文字列に ならないことを疑問に思う人もいるでしょう。なぜそうなるのかというと、 デフォルトのエンコーディング ISO-8859-1 では ' ' エンティティが ASCII コード 32 (これは trim() で取り除かれる) ではなく ASCII コード 160 (0xa0) に変換されるからです。
参考
- htmlentities() - 適用可能な文字を全て HTML エンティティに変換する
- htmlspecialchars() - 特殊文字を HTML エンティティに変換する
- get_html_translation_table() - htmlspecialchars および htmlentities で使用される変換テーブルを返す
- urldecode() - URL エンコードされた文字列をデコードする