
■意外と難しい比較暗合成
太陽表面にはクレーターのような固定された目標がありません。黒点も太陽の自転の影響で数時間のうちに僅かに移動しています。また、太陽面の像は地球の自転の影響で時間とともに回転して見えます。また回転のし方も一定ではなく、波を描く(恐らくSIN波)ような複雑なものです。金星の動き方の図で「への地」を描いたものは、この波の一部分が現れたものじゃないかと思われます。(注:天文は専門じゃないので間違っている可能性が大)
このため異なる時間を置いた太陽を合成するには、何らかの方法で太陽面の傾きを統一する必要が出てきます。ネットで色々と調べてみましたが、地球の自転軸を使って統一できることが分かりましたが、具体的な手順までは見つけられませんでした。そこで、自分なりに意味を考えてみたところ、方法が分かりましたので、紹介します。
まず、撮影データは固定撮影したもので、同じ画角内で時間を置いて撮影した2枚が必要になります。この2枚をPhotoshopで開き、比較明合成します。次に、下図のように補助線(ガイド線)を引きます。図では右と下も引いてますが、片側だけで構いません。

このガイド線の交点を直線で結び(スナップ機能を使う)角度を測り、その傾きの分だけキャンバスの回転を行います。これを他の画角セットでも行うことで、地球の自転軸に傾きが統一され、同時に太陽面の傾きも統一できます。
次に位置合わせを行います。これは一般的なテクニックですが、一応紹介しておきます。位置合わせを行いたい画像をレイヤーで重ねて、「絶対値の差」で合成します。

上図の左側のように、重なった部分が真っ黒になりますので、右側のようにほぼ真っ黒になるまで画像を移動させるだけです。微妙に違うわけなので、完全に真っ黒にはなりません。動いた金星など変化のある部分は残りますし、露出の違いで太ってたり、レンズの端っこと真ん中では数ピクセルのズレ、大気のゆらぎなどで、リング状に残ったりします。
こうした画像処理を行った結果、金星の影が一直線上に並び、思わず感動してしまいました(^^)v この調子で金星の点線を描きたかった訳ですが、雲に邪魔された部分の傾きデータが得られず、5枚合成が限界でした(´・ω・`)
撮影時に、この画像処理の仕方が分かってれば、もっとマシになったことでしょうね。よーし、次は頑張るぞ。100年後だけど…。
6/6 7:29〜13:30 新潟県(上越市→燕市→新潟市)
Canon EOS Kiss X4 on ML/EF300mm1:4L/Kenko ND100000
JPG×5→Photomatix/TpzAdjust
Tags #天体 #太陽 #金星 #日面通過
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