してログ

OpenLayers2 と OpenLayers3 以降とではだいぶ構成が違うので慣れるまでが大変です。

イベントハンドラの代替案2つ

Feature にはクリックイベントが無いようです。似たような動作をしたい場合は、マップオブジェクトのクリックイベントで行えます。以下の例では、クリックした座標から forEachFeatureAtPixels を使ってヒットした Feature をすべてコンソールに出力しています。

map.on('click',function(e){
	map.forEachFeatureAtPixel(e.pixel,function(feature,layer){
		console.log(feature);
	})
});

セレクトツール(インタラクションというらしいが)で良ければ、下記のようなコードでも実現できます。こちらの場合、選択時のスタイルも設定しておくか、選択されたら即解除するような処理を入れておかないとおかしな動作に見えると思います。

var selectSingleClick = new ol.interaction.Select();
map.addInteraction(selectSingleClick);
selectSingleClick.on('select',function(e) {
	console.log(e.target.getFeatures().getLength());
});

ポップアップ(吹き出し)の作り方

OpenLayers2 のときあった OpenLayers.Popup.FramedCloud も無いみたいです。CSS で吹き出し形状にするのって、after などの疑似要素やボーダーの変態活用が絡むのであまりやりたくない。標準のポップアップくらい用意しておいてくれよと思います。

枠だけで良いなら下記のように jQuery でスタイルも埋め込んでやれば CSS 要りません。ただし地図においては、三角形がないとどこを示しているポップアップなのか分からなくなるので、素直に CSS に定義したほうが良さそうです。

popup_container =
	$('<div>')
	.css({
		'position':'absolute',
		'background-color':'white',
		'box-shadow':'0 1px 4px rgba(0,0,0,0.2)',
		'padding':'15px',
		'border-radius':'10px',
		'border':'1px solid #cccccc',
		'bottom':'12px',
		'left':'-50px',
		'min-width':'280px'
	})
	.append($('<div>',{class:'pp_content'}));

popup_overlay = new ol.Overlay({
	element: popup_container[0],
	autoPan: true,
	autoPanAnimation: {
		duration: 250
	}
});

マップのクリックイベントハンドラを下記のように書けばポップアップを表示できます。

map.on('click',function(e){
	map.forEachFeatureAtPixel(e.pixel,function(feature,layer){
		var geom = feature.getGeometry();
		var coord = geom.getCoordinates();
		popup_overlay.setPosition(coord);
		var obj = $(popup_overlay.element);
		obj.find('.pp_content').text(feature.getProperties()...);
	})
});

ポップアップを閉じるには下記のようにします。

popup_overlay.setPosition(undefined);

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (4) からのつづき)

今回はロマン溢れる記事から一転、現実解的な内容になりますので、よろしくお願いします。インパクトある物量攻撃が起こる原因について少し見て行きたいと思います。

複合攻撃の仕組み

空中物が出現するとワークメモリに、出現機数とキャラクタ出現テーブルの位置がロードされます。例えば弾なしトーロイドを3機出現させる場合「0x03 0x01」になります。同時出現は6機までなので、1バイト目は 0x01~0x06 の範囲、2バイト目は 0x01~0x73 くらいの値を取ります。

キャラクタ出現テーブルは表のように定義されており、先の例だと1番目から6機分を出現させる指定になります。複合攻撃にしたい場合は、キャラクタの切り替わる境界を使うことで実現しています。例えば、弾なしトーロイド×3+弾ありトーロイド×3を出したい場合「0x06 0x04」と指定すれば良いことになります。

おなじみの、ジアラ×2+タルケン×3~4の組み合わせもジアラとタルケンが切り替わる境界のところで、「0x05 0x17」か「0x06 0x17」と指定します。機数の違いのみでタルケンを3機にしたり4機にしたりできる、とても巧妙な作りです。

+0+1+2+3+4+5
0x01トーロイド(弾なし)トーロイド(弾なし)トーロイド(弾なし)トーロイド(弾なし)トーロイド(弾なし)トーロイド(弾なし)
0x07トーロイド(弾あり)トーロイド(弾あり)トーロイド(弾あり)トーロイド(弾あり)トーロイド(弾あり)トーロイド(弾あり)
0x0Dジアラ(弾あり)ジアラ(弾あり)ジアラ(弾あり)ジアラ(弾あり)ジアラ(弾あり)ジアラ(弾あり)
0x13ジアラ(弾なし)ジアラ(弾なし)ジアラ(弾なし)ジアラ(弾なし)ジアラ(弾なし)ジアラ(弾なし)
0x19タルケンタルケンタルケンタルケンタルケンタルケン
出現テーブルの冒頭部分

総攻撃はバッファオーバーランか

出現テーブルに従って機数分の空中物ワークへキャラクタが転送されると、キャラクタに対応するプログラムが紐づいて攻撃が始まります。また同様に、地上物は地上物用ワーク、バキュラはバキュラ用ワークを持っていて、出現テーブルに従ってセットされたりクリアされたりしながらエリアが進行していきます。

これらのワークはメモリ上で隣接しているため、例えばボザログラム(ワークを5個使用する)を11番目以降(地上物のワークは14個まで)に設定してしまうとバキュラ用ワークにはみ出します。それぞれのワーク領域では、自機に当たる・当たらない、ザッパーに当たる・当たらない、ブラスターに当たる・当たらない、の属性になっているので、このボザログラムはバキュラバリアを装備し、かつ自機との当たり判定も持つことになります。

ここで面白いのは、本来とは異なるワーク領域へキャラクタをロードさせてもそのキャラクタのプログラム(動き)はそのままな点です。左記のボザログラムはスクロールに同期して移動し、見た目上は地上物としてふるまいます。

総攻撃に話を戻しましょう。今までの前置きを踏まえると「空中物のワーク領域からオーバーランさせて、地上物やバキュラのワーク領域にロードさせた状態なのでは無いのか」という話が見えてきます。

実際に検証してみます

1番目のトーロイドを起点に実際にオーバーランさせて検証してみたいと思います。敵出現テーブルのメモリにブレークポイント入れて、読みだされた後の動きを追ってみると、XVI5 の 0x04D8~0x054B あたりまでが空中物の組み合わせを定義しているテーブルと分かりました(複合攻撃のところで書いた2バイト単位が羅列されています)。

このテーブルの機数のところを書き換えてオーバーランを起こさせます。しかし、適当に数を増やしてみても6機以上は出て来ず、極端に増やすとリセットが掛かりました。見当が外れたのかと思いましたが、71機以上設定すると地上物のワークを使い始めると判明。トーロイド起点だとカピ(71機目)からブラグザカート(87機目)までが地上物扱いになりました。

これ以降109機くらいまではバキュラのワークに配置され、バキュラバリアが付いた状態になります。

更に増やすとスパリオのワークに行くらしく、幻影弾が出るようになります。これ以上増やすとキャラクタのテーブルも終わるため、リセットや halt してしまいます。

0xA2、0xB2、0xA3 では何が起きているか

理由は分かりませんが上のキャラテーブルの続きではなく、XVI5 の 0x03D8~0x04D7 を参照していました。実は 0x80 以降の攻撃パターンは、0xE1 のジアラ+ギドスパリオぐらいしか使用されておらず、なぜこうなっているのか良くわかっていません。キャラテーブルに空きもあるし入れられると思うですけどね、謎です。

それぞれの参照先で何が定義されているか調べてみると下記の通りでした。

攻撃コード参照先(XVI5)定義(機数・起点キャラ)
0xA20x041C0xA7 0xED
0xB20x043C0xC1 0xC9
0xA30x041E0x52 0x19

うーむ。上2つは想像してたのとぜんぜん違いますね。これだとリセットコースなんですが、さっき書き換えてテストしていた部分に入れてみると A2, B2 と同じ攻撃が出て来ました。この A2 の定義だと範囲外のキャラを167機出現させるという指定であり、リセットが掛かってもおかしくありません。これでよく動いてるな、というのが心証です。

追記:0x80~0xFF までの参照で実際有効なのは 0xE0~0xFF(XVI5 の 0x0498~0x04D7)です。 残念ながらプログラムコードの一部を拾ってしてしまい、バグって総攻撃に至っているというのが事の真相のようです。

残りの A3 については、25番目(0x19)のタルケンを指定して82機出現させると言った意味になります。関連するキャラテーブルを書き出すと下記の通り。

+0+1+2+3+4+5
0x19タルケンタルケンタルケンタルケンタルケンタルケン
0x1Fゾシー(乱)ゾシー(乱)ゾシー(乱)ゾシー(乱)ゾシー(乱)ゾシー(乱)
0x25トーロイド(弾)トーロイド(弾)ギドスパリオギドスパリオギドスパリオギドスパリオ
0x2Bギドスパリオギドスパリオゾシー(追撃)ゾシー(追撃)ゾシー(追撃)ゾシー(追撃)
0x31ゾシー(追撃)バックゾシーバックゾシーバックゾシーバックゾシーザカート(落下)
0x37ザカート(落下)ザカート(落下)ザカート(落下)ザカート(落下)ザカート(落下)ザカート(自狙)
0x3Dザカート(自狙)ザカート(自狙)ザカート(自狙)ザカート(自狙)ザカート(自狙)バックゾシー
0x43バックゾシーバックゾシーカピカピカピカピ
0x49カピカピザカート(自狙)ザカート(自狙)ザカート(自狙)テラジ
0x4Fテラジテラジテラジテラジテラジブラグザカート(自狙)
0x55ブラグザカート(自狙)ブラグザカート(自狙)ブラグザカート(自狙)ブラグザカート(自狙)ブラグザカート(自狙)ブラグザカート(自狙)
0x5Bブラグザカート(自狙)タルケンタルケンギドスパリオギドスパリオギドスパリオ
0x61ギドスパリオジアラ(弾)ジアラ(弾)カピカピギドスパリオ
0x67ギドスパリオギドスパリオギドスパリオテラジテラジザカート(自狙)

青字が通常の空中物として出ているタルケン6機、赤字が地上物扱いで出ているものになります。正直これ以外はメモリのゴミか無関係な参照かも知れませんが、こちらはキャラクタの区切りにきっちり設定してあり、キャラテーブル内の機数で設定され、かつ地上物ワークの範囲内に入れてある、という点を取って意図を感じてしまいます。

追記:地上物ワークまで間が空くのは、<地上物>~<バキュラ>~<スパリオ>~<空中物>~<未使用>の順に配置されているためでした(2バイト単位なので128機(うち有効なのが最大54機)で1周しています)。 細かく書くとバキュラとスパリオの間も、自機や照準など7機分の空きがあるようです。

結びに

果たして、意図したものなのか、単に無意味な参照だったのか、判断はお任せします。個人的にはロマンあるほうを主張しておきたいですね。

最後に、すごくインパクトのある発見で久しぶりにゼビウスで楽しめましたし、ここ最近プレイもして久方ぶりに1000万点を出しました。あと、消失ソルを1バイトで出す方法(今までは2バイトだった)とか、複合攻撃のコントロール方法、その他改造に役立つ知見が得られました。消失ソルの件は時間が出来たら記事にしますので、お楽しみに。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (6) につづく)

PHP + JavaScript でシステムを組む場合、PHP 側の設定値を JavaScript 側に渡したいときがあります。いくつも方法があり簡単ではありますが、どうもスマートでないやり方になってしまうのでどうにかしたいと思っていました。

代表的な方法は、テンプレートエンジンに埋め込む(JavaScript を埋め込むか、input タグに入れる、class 属性などに突っ込む)、ajax で json を取得させるなどがあります。前者はカッコ悪いの一言。後者は非同期通信になってロード完了するまで、それらの値にアクセスできないなどイマイチです。そこで少し検討してみました。

JavaScript を吐き出す PHP を書いてしまう

JavaScript のコードを吐き出す PHP を書いて、ヘッダーの script タグでロードするという方法です。これならテンプレートが複雑にならないし、ロードのタイミングで悩むこともありません。ただし、PHP 側のコードが汚くなるのが目に見えるので、もう少し検討してみました。

せっかくなので JSON を受け渡しに使いたい

PHP 側で JSON を作り JavaScript 側は ajax で受け取る、この流れ少し変えて JSON データをデコードするだけの JavaScript を書いてロードしてもらう、というふうにします。

  1. PHP で受け渡したいデータを配列などにまとめる
  2. データを JSON にエンコードして base64 エンコードする(エスケープしなくて良くするため)
  3. JavaScript で base64 → JSON の順でデコードするコードに加工する
  4. JavaScript として返却する

このような流れでコードを書けば、PHP、JavaScript でコードが入り乱れることは無くなり非常にすっきりすると思います。簡単なのでコードを例示する必要も無いかと思いますが、一応書いておきます。

PHP 側のコード($data に受け渡すものは準備済みとする)
$json = json_encode($data);
$b64 = base64_encode($json);
$js = "var data=JSON.parse(window.atob('".$b64."'));";
header('Content-Type: text/javascript; charset=UTF-8');
echo $js;
HTML(JavaScript)側のコード
<script type="text/javascript" src="config.js.php"></script>
追記:残念ながら意図してプログラムされたものでは無いと思われます。 詳しくは(5)を見てください。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (3) からのつづき)

書き忘れがあったので続けます。

地上物レイヤーにいる敵はブラスターで撃墜可能

照準器が赤く点滅することがあるので、薄々気づいてはいました。コマ送りで確認したところ、ブラスターによるタルケン撃墜の様子が撮れていたので、スロー再生動画にしました。タルケンの50点もちゃんと加算されているようです。

爆撃によるタルケンの撃墜

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (5) につづく)

追記:残念ながら意図してプログラムされたものでは無いと思われます。 詳しくは(5)を見てください。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (2) からのつづき)

検証用コードを準備しましたので、試せる環境のある方は参考にしてください。なお、書き換えにあっては自己責任でお願いいたします。

総攻撃検証コード

検証に必要なもの

ROM データはご自身の所有するアーケード基板より取得していただきますようお願いします。検証にはバイナリエディタ(Stirling 以外でも構いません)を準備してください。Stirling は Windows10 でも動作しますが、アップデートされていないためか遅い場合があります。

書き換え箇所とデータ

XVI6 に相当するデータファイルを Stirling で開いて 0x003C からの3バイトを下記のように変更します。以降の 0x003F ~ 0x00C6 まではすべて 00 で埋めていただければ OK です。書き換え終わったら保存(Stirling なら変更前のバックアップファイル .bak も保存されます)して終了です。

CODE A2
#003C: F0 02 A2

下記のスクショでハイライトした部分を参考にしてください。

書き換え箇所
書き換え箇所
エミュレータ実装の市販ソフトなどを書き換える場合

EXE ファイルなどをバイナリエディタで開き「20 10 C8 10」のバイト列を検索すると、変更箇所付近がヒットすると思います。前項のスクリーンショットを参考にして対応する箇所を書き換えてください。

なお、ISO イメージにバックアップしたものを直接バイナリエディタで書き換えても構いません。その場合は複数個所がヒットすると思いますが、ベンチマーク版かと思いますので両方書き換えてください。SUPER は微妙な違いがあるので前述のバイト列ではヒットしません(攻撃パターンのマップも異なると思いますので動かないと思います)。

他の総攻撃パターンを試す場合

書き換えコードの A2 の箇所を、B2 または A3 にするとそれに対応する総攻撃パターンを試せます。

CODE B2
#003C: F0 02 B2
CODE A3
#003C: F0 02 A3

最後に

書き換え箇所がちょうどエリア1の範囲になり、エリア2からは通常のゼビウスに戻ります。ただし、A2 と B2 はスパリオがキャラ化けしてしまい、つぶつぶや色のおかしいカピやザカート弾(一度ミスすれば戻る)を撃ってきます。とは言え、恐らくこの攻撃を抜けられる方はいないでしょう。しかし、A3 は頑張れば抜けられると思いますので、腕に自信のある方はぜひ挑戦してみてください。

上記のコードでは強制発動を維持させるため、結構な範囲を書き換えています。しかし、条件としては最小1バイトで済むため、何らかの理由(ROM の読み出しに失敗したり)でバグった場合に発動する(していた)可能性はあると思われます。もし、当時この光景を目撃していたとしたら相当な騒ぎになったはずですが、今まで聞いたことがありません。

またひとつ、ゼビウスの謎が解かれました。

もしかしたら、エリア1のボザログラムをある順番で破壊したら...、とか何らかのトリガーが全16エリアのどこかに存在している可能性は依然として残ります。いつかすべての謎が解かれ、真のエンディングが訪れることを期待します。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (4) につづく)

検証報告お待ちしております
追記:残念ながら意図してプログラムされたものでは無いと思われます。 詳しくは(5)を見てください。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (1) からのつづき)

発見した攻撃パターンコード(A2 / B2 / A3)は、通常の出現テーブルセットの後ろのものになります。これとは別の出現テーブルセット(使われていないと思う)にも、同じ攻撃パターンコード(E2 / F2 / E3)がありますが、先に発見したコードで識別しています。

CODE A2 の攻撃パターン

ゼビウスの通常攻撃でテラジは最大5機までですが、この攻撃では6機も同時に出現します。これだけでもお手上げしそうなのに、加えザカート大量、ブラグザカート、バックゾシー、その他という信じられないほどの物量攻撃です。スパリオがキャラ化けしていて、つぶつぶや、カピなどの断片で飛んできます。

CODE A2
CODE A2

数の正確な確認は困難

  • テラジ×6
  • カピ×8
  • ジアラ×2
  • タルケン×2
  • ザカート×16(落下タイプと自機狙いが混じるが判別困難)
  • ブラグザカート×2
  • ギドスパリオ×8
  • バックゾシー×6

CODE B2 の攻撃パターン

テラジの代わりにゾシーが大量に出る以外、A2 と大差ないと思います。A2 もそうですが、ほとんどの敵はこちらの攻撃を弾きます。

CODE B2
CODE B2

数の正確な確認は困難

  • トーロイド×2
  • タルケン×5
  • ジアラ×8
  • カピ×4
  • テラジ×1
  • ザカート×16
  • ギドスパリオ×6
  • ゾシー×7
  • バックゾシー×3

CODE A3 の攻撃パターン

バキュラバリアが無く、スパリオも通常弾です。タルケン以外はゴーストなので、当たってもミスになりませんが、こちらの攻撃も通りません。スパリオを良くみて避けることは十分可能な範囲です。

CODE A3
CODE A3

数はだいたい合っていると思います

  • タルケン×6
  • ジアラ×2
  • カピ×2
  • テラジ×1
  • ギドスパリオ×6

考察(1):どうやってこの物量を出しているのか?

ゼビウスの空中物は同時に6機しか出ないため、管理領域も6機分と考えられます。総攻撃ではざっと数えただけでも50機以上は出現しているので、普通のやり方では実現できないはずです。だいたい想像はついているので、先に言っちゃうとバキュラや地上物の管理テーブルも使って出していると思われます。

実は、アンドアジェネシスもこの手法を使っていて、出現範囲には一切地上物は置けないのです。なので14面は、アンドアジェネシスが2基出現するために、一切の地上物が設定されていないと言う訳です。ただ、アンドアジェネシスは地上物と共存できないだけで、バキュラとは共存可能です。

次のスクショでは、バキュラを出してから A2 と A3 の攻撃をそれぞれ開始させています。A2 は攻撃が開始された途端バキュラの出現が止まってしまいますが、A3 は止まりません(敵の出現量を少なくしてバキュラの領域まで使っていないと思われます)。

考察(2):A2 と B2 はただのお遊びでは無いのか?

どのぐらいまでキャラを出しても行けるか確認するため、もしくは単に大量に出してみたいという好奇心を満たすためです。たいていの人(プログラマ)はこういうことを考えるもの(ファミコンロッキーが証明しています)だと思いますし、自分も似たような経験があります。

それに、この物量はあまりにもかけ離れていて、もはや別のゲームであり、本気で組み込もうと思っていたとは思えません。発動後に完全に元の状態に戻らないのも、おかしな幻影弾を撃ってくるのも、限界量さえ分かればいいというロジックであれば理解できます。

ただ、わざわざイレギュラーな処理をしてまで地上物やバキュラの領域を使うプログラムを組んだ、という点はどうでしょう。ここまでは無いにしても、実験的に限界点を探っていたというのが事の真相かも知れませんし、私だったら面倒を承知でも好奇心のほうが勝ったと思います。

いずれにしても、これは採用する目的でプログラムはしていなかった、というのはかなり信憑性があると思います。

考察(3):A3 は本作のラストとして組み込もうとした残骸なのか?

他の2つと違い A3 は避けようと思えば可能なレベルに抑えてあり、バキュラや他の地上物と共存が可能になっています。また地上物の領域を潰して空中物を増やしてはいますが、その領域は10個分(上限は14個まで)に留めており、こちらとも共存可能となっています。この配置できる地上物を残した、というのがこの考察のポイントです。

残りの領域は4個、仮に16面と同じくガルデロータ2基(ガル系は領域を2個消費します)とすれば、ドモグラムや他の地上物はあと2つ置ける計算になります。ちょうど置ける計算になります(夜書いたので計算間違えたわ)。ほらほらほら、最終要塞を組むのに十分な気がしてきませんか? 光景が目に浮かぶようです。

エリア16のラストの川付近はデロータで固められています。もし、この付近の地上物(もしかすると第2防衛ラインのガルデロータまで)を排除して、A3 の空中戦が展開されたとしたらどうでしょう。激しい空中戦を何とか潜り抜けた先に、ガルデロータ2基が鎮座しています。もしかしたら、警備用のドモグラムが周囲を警戒しているかも知れません。今までのエリアと違ったラストに相応しいドラマティックな展開になったはずです。

なぜバキュラの領域を使わなかったのか? という点が残りますが、これについてはエリア7に繋ぐためとも考えられます。もし領域を使ってしまうと、少なくとも1.5画面前くらいまでに攻撃を停止させ、領域をクリアにしておかねかればならないはずです。ゼビウスは制約が多くてエリア間もうまく調整しないと、前のエリアの影響を受けてしまうのです(エリア7は、6→7 と 16→7 両方とも調整が必要なのです)。つまり16面のラストに A3 の攻撃を展開しようとすると、必然的にバキュラの領域は使えない、ということになるのです。

ではなぜ採用しなかったのか? という点についてはこうです。出現させるまでは簡単にできても、重ね合わせや当たり判定その他もろもろ、イレギュラーな使い方をするが故にその調整に掛かるコスト(コード量)が確保できなかったのでは無いでしょうか。爆発痕の下を潜ってしまうのは無視できても、健在な地上物の下を空中物が潜るのは明らかに変です。作ってみたはいいけど、こういった点を解消するために更にコード量がかさむとなれば、諦めるのも仕方がありません。

追記: 16面最後のガルデロータ2基の管理領域番号を確かめたところ 18 1A と 1C 1E でした。 これは A3 の総攻撃パターンが使わない 18 1A 1C 1E にぴったりと当てはまります。

結びに

現代であれば容量など気にしなくてもいいし、欲しいだけメモリや、CPU、GPU のリソースを使えます。しかしゼビウスが作られた当時は、16進から10進に変換する処理すら削ったり、論理演算をうまく使って計算したりして節約していました。例えば残機表示がずらっと並ぶのや、10機以上になるとアルファベットや記号になるのも、そういった背景があります。

今回の発見はゼビウスの基板は貧弱で、キャラオーバーでソルは消えちゃうし、敵機も弾幕もこの程度しか出せなかったんだ、というのが思い過ごしだったことに気づかされました。あえて性能の半分も使わない代わりに、世界観の表現やゲームバランスを箱庭のように丁寧に作り込んで行った。正にあの当時として、ゼビウスはあらゆる面でオーパーツだったんだなあ、と思った次第です。

なお、ここで書いたことは筆者の妄想であり、恐らく半分も合っていないでしょう。巷では「もう深まる謎など残っていない」などと言われる本作ですが、久しぶりの新しい発見を楽しんでいただければ幸いです。

[ゼビウス] AC版ゼビウスに総攻撃がプログラムされていた (3) につづく)